虐待というと、暴行やネグレクトばかりがクローズアップされるが、精神的虐待も重大である。 親が神経症(ノイローゼ)の傾向を持っていると、それが子供に伝染する可能性がある、特に受験期は注意が必要である。 私が学生の頃は、母親の過干渉が原因で、強迫神経症という一種のノイローゼになっていたが、そういう場合も「国家が子供を養う制度」であれば、引き離す事が容易になる。 強迫神経症は、日常生活や勉強に支障を生じさせるだけでなく、さらに「性的強迫観念」となって私を苦しめていた。 私の母親の場合、あくまでも病気であり、いわゆる悪意を持った虐待というわけではないのだが、ただ母親も私も異常に神経質なところがあって、一緒に暮らしていると周波が合ってしまい共鳴現象を起こす。 母親と一緒にいると母親のノイローゼが私に伝染するわけである。 医者にも相談したが―――けっきょく母親に支配されている限り、いつまで経っても自分の病気は治らない―――それが分かったので大学進学をあきらめ自立を選ぶことにした。 そもそも肉体的虐待だけでなく精神的虐待も、さらにはノイローゼの伝染現象まで、すべてを児童相談所が審査し、認定する事は可能だろうか? 「審査・認定にカネと時間をかける」よりも子供に好きに選ばせた方が安上がりである。 「子供が保護者を選択する」とはそういう事である。 「子供が保護者を選択する」これを可能にするのが「子供限定ベーシックインカム」である。 大人のベーシックインカムは何かと問題が多く私は反対なのだが、子供限定ベーシックインカムは充分に実現可能であり有用である。
子供ホームは「可哀想な貧困・被虐待児が行く所」という、そのような決めつけ自体も、もはや時代遅れで差別的である。 たとえ子供に罪はないにしても「その子たちだけを」「特別に税金で養う」となると、やはり納税者から反発が出る。
「例外的」「社会のお荷物扱い」も、また差別・虐待を生み出す。 やるならすべての子供を対象に「ベーシックに」「国家が子供を養う」ようにすべきなのだ。 さらに「子供の自立」という観点からも、私はむしろ多くの子供が、親元を離れ「子供ホーム」に移行する事を勧める。 単に「親とソリが合わない」だけの理由で子供ホームに入っても良いのだ。 「親と喧嘩して家出」でもよい。 悪い大人にだまされるよりは、はるかに良い事である。 さらに「子供ホーム」も子供自身が選べるようにする。 そうすれば競争原理が働き「子供ホーム」内における虐待や管理教育も防げる。 要は「子供が親権を選択できるかどうか」「自由競争が働いているか」がミソ、核心であって、別に体罰を禁止する必要はない。
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