今日における日本の停滞は、永田町の機能不全にもよるが、それ以上に致命的なのは、政治家に思想がなく、何をどうすれば良いか分かっていない事である。 政治家は時として「鬼のような」事を言わねばならない、しかしそれを言うためには、思想がなければならない。 思想がないから、目先の人気取りに終始し、失敗するわけである。
前項で私は、奨学金や学割よりも、むしろ逆に「大学に行くと一生学歴税を取られる」社会にすれば「本当に必要な場合以外の」むやみな学歴取得を抑止できる。 そうやって「教育コスト」を削減する。 と「鬼のような」事を言った。 続けて、教育コストをできる限り削減したうえで「次の段階として」国家がそれを肩代わり、国家が子供を養うようにすれば(子供限定ベーシックインカム)鬼に金棒、世界で最も効率の高い、最強の国家が誕生する、とも言った。 さらにこの政策は「教育の機会均等」という観点からも、全く問題ないどころか、むしろ望ましいものである事にも言及した。 これらは明確な思想に基づくものである。 さらに、話には続きがある。 国家が子供を養う制度になれば、そこに資本が参入し、老人ホームならぬ子供ホームが増え充実する。 現行の児童相談所は、重度の肉体的虐待を救済するのが精一杯であるが、子供ホームが充実し一般化すれば、精神的虐待も含め、すべての虐待に対応可能となる。 「学歴税」および「国家が子供を養う制度」は、少子化・年金問題を解決するだけでなく、虐待問題をも解決するのである。 それだけではない、さらには大学のあり方、エリートの育成、社会のあり方にも革命を引き起こす。 これらについては以降に詳しく述べる。
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