| 第２章 学歴税（マトリクス累進）を導入せよ！ | |||
２－９ ムチとしての学歴税 | 目次へ | ||
ここでは私が主張する学歴税について、もう少し踏み込んで見ておこう。 もし金持ちを標的にした税金を設けたら、金持ちは一枚岩になって対抗する。 だが学歴を標的にした税金の場合は、金持ちは必ずしも一枚岩にはならない。 なぜならば、実社会で成功している金持ちの人たちの中には、学歴なんかクソを食らえと思っている人も多いからだ。 学歴税はそうした人たちを味方にできる税制だ。 （詳細は第３章「《コラム》学歴税（マトリクス累進による所得税）とは」参照） 学歴税は、安っぽい正義を振りかざす税ではない。 社会の流れを変えるムチとしての税である。 学歴税の目的は、社会の流れを変えるために、痛みを与える事であり、痛みを与える事そのものが目的である。 従って安っぽい正義を振りかざした「なんとか目的税」のように、国民の負担にはならない。 例えば「少子化対策税」とやらを作ったとしよう。 すると一様に税金が高くなり、国民の負担は増す。
しかし、学歴税ならば、
こうすれば国民に一様な税負担は生じず、少子化対策としても数十倍効果的である。 オムツやミルクを支給したりするよりも、
その方が、数百倍、社会にとって有益である。 つまり学歴税は「バラマキのための税」ではなく「社会の流れを変えるムチとしての税」としての性質を持つ「少子化対策税」のように「税収をあてにしてどうこうする」税ではない。 従って不景気その他の原因により税収が思うように伸びなくても、それによって国の借金が膨らんで行き（さらに増税しなければならなくなるような）悪循環を招く心配もない。 「痛みを与える事そのものが目的」なんて言うと、おまえはサディストなのかと言われそうだが、私に言わせれば、それらしき大義名分をふりかざし（血を吸う蚊の如く）痛みを感じないようにごまかしながら、こっそりと集められる「なんとか目的税」の方がよっぽどタチの悪い嫌な税金である。 「なんとか目的税」が本当にその目的を達成できれば良いのだが、達成できないまま、無駄に消えて行く可能性の方が高いのである。 そして莫大な国の借金が残る―――まさしく血を吸う蚊の如く、後で痒くなって来るのである。 民主党政権時代には、オムツやミルクを無料にするなんて事が大まじめに論じられたが、だいたいオムツやミルクを無料にして、それで国民を騙せるとでも思っているのだろうか？ 子供を大学に行かせるのにどれだけ金がかかると思っているのか？ 「少子化対策税」なんか作ってもムダ、国民を愚弄している。
それよりも「無用な学歴取得を抑制する」その方がはるかに親の負担は軽減し、少子化対策として有効である。 私は大学を否定しているわけではない。 大学に行くのは良いが、あくまでも「横並び意識で慌てて行くのではなく」「社会人になってから」「それぞれ自分の稼ぎで大学に行く」のが基本と言っているのだ。 「それぞれ自分の稼ぎで」というところがミソ、これならば子供を何人作ろうが、親の負担は増えない。 「子供の人数Ｎに比例しなくなる」わけである。 | |||||||||||||||||
| 前へ | 次へ | ||||||||||||||||