とはいえ一方で私は、維新が主張する「大学無償化」について、理解できる部分はある。 だから私は、とりあえず維新に投票しようと思っている。 問題議員も多く、決して百点満点の党ではないが、何かを変えるときには、維新の力は必要、もっと暴れてくれた方が良い。 ではなぜ「大学無償化」に批判的な私が「大学無償化」を掲げる維新に投票するのか、そのねじれた構造を次に説明しよう。 それは本書「学歴封建体制を破壊する方法」のアマゾンの「商品の説明」ページを読んでもらえばご理解いただけると思う。 以下「商品の説明」ページからの引用である。 巷では、憲法改正にかこつけて「高等教育の無償化」が叫ばれ、選挙の争点にもなっている。 それにしても、なぜ今頃になって(高校や専門学校ならまだしも)大学無償化の話が出て来るのか、少子化を前に、大学の延命を図っているとしか思えない。 たしかに日本は、教育に関する公的支出は少ないが、私的な支出も含めれば、結構な額を使っている。 もっとも「私的支出の割合が高い」事が教育格差につながっていると言えなくもないが、とはいえ単純に公的支出を増やし「ばらまけば解決する」ものでもない。 火に油を注ぎ、ますますの高学歴化を招く結果とならないように、慎重にブレーキをかけながらの対処が必要である(それが本書の主張する学歴税)。 U(中略)U 給付型奨学金の導入が叫ばれているが、それに相当する制度は昔から存在する。ただ成績やその他の条件が非常に厳しい。 大学全入時代を迎えた今日、金持ちはバカでも大学に行けるのに、貧乏人ばかり厳しい事を言われるのは不公平であり、これも格差問題の一種であるとの観点から、条件の緩和あるいは撤廃を求める動きは理解できる。 だが一方では高卒で就職する人もいるわけで、そのような人たちは安易に公金を投入して欲しくないという立場である。 あちらを立てればこちらが立たずという意味から、この問題は「多元連立方程式」とも呼ばれている。 本書はマトリクス累進によりこれを調整し一挙に解決するものである。(以上引用終わり) なんと「大学無償化」は可能なのだ「学歴税」を財源にすれば! 憲法26条の機会均等を維持発展しつつ憲法89条にも抵触しないやり方は「学歴税」これなのだ。 憲法89条というとこれまで私学助成問題が取り沙汰されて来たが、これは私学に限った話ではない。 国家は学歴に関して、ニュートラル(中立)でなければならない。 学歴に公金を投入したのなら、それと同じ金額を、学歴に課税すべきである。 学歴に公金を投入しながら充分な課税をしない、そのような高学歴者優遇は、大学・受験産業を儲けさせ、それにぶら下がるシロアリ寄生虫を増やすだけ、学問の奨励でも何でもない、生産性低下である。 たとえ同じ年収であっても、高卒と大卒とでは、差をつけるべきである。 つまり「年収」だけでなく「学歴」の次元にも累進というのが「マトリクス累進」の考え方である。 「マトリクス」なんてSF的なしゃれたことを言うが、それは当たり前の感覚ではなかろうか? なんせ大卒には(高卒よりも)カネがかかっているのだから、国家や社会に恩返しするのは当たり前、大学に行くとはそういう意識を持つ事である(愛国心などと大層な事ではなくそれは普通の事である)。 現にイギリスの名門大学などは、卒業生の寄付で成り立っている。 寄付を財源に手厚い奨学金制度もあると聞く。 池上彰は消費税2パーセント分で大学無償化が実現できるとテレビで言っていたが、中卒や高卒の人も納めている消費税で盆暗大学を無償化してどうする? これでは格差是正どころか格差を作り出す事に他ならない(ホンネは学者の失業対策)情けない限りである。 | |||
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