第3章 少子化・年金問題はこうやって解決する

《コラム》育児休業制度のウソ

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 私はIT業界に務めている。 IT業界では、病気で半月入院しただけで派遣先が変わってしまうものである。 ただ注目すべきはクビにはならない点である。 就職難の現代でさえも次の仕事がある、それが私のキャリアである。 このように本来キャリアとは、会社を変わろうが辞めようが、どこでも通用するものである。 そういう私から見ると、育児休業制度を利用してまでしがみ付かねばならない会社とはいったい何なのか「いったんやめてしまったらおしまい」の仕事なんて「キャリア」ではなく、いかにも「役人的オイシイ仕事」という印象を受ける。 「せっかくつかんだオイシイ仕事を手放したくない」という風に聞こえる。 そしてそのような仕事が提供できるのは、一部の大企業か役所だけである。
 つまり育児休業制度を「フル活用し」「その威力を存分に発揮させる」ためには、前提として「大企業か役所」に就職していなければならない。 そして大企業か役所に就職するためには「やはり一流大学でないとダメだ」という事になり、ますます教育にカネがかかり、少子化が進む「全然少子化対策になっていない」と言えよう。

女性の悔しい気持ちはわかるが、とはいえ「育児休業制度」の考え方は方向を誤っているのではなかろうか? (心配しなくてもガクレキ封建体制を破壊し、それを支える年功序列が完全に過去のものとなれば、女性を悔しがらせるような「オイシイ仕事」自体が消滅する)
育児休業制度は、大企業勤めのエリート女性のための制度であって、パート・アルバイト・事務員レベルの女性は(単純に辞めて再就職すれば良いのであって)あまりメリットはない。 むしろ制度を維持するために「役人が増え税金が高くなり」デメリットの方が多いだろう。
育児休業に限らず、サヨクの考えるような「バラマキ」では、少子化問題は何1つ解決しない。 だが一方で保守派の中には、年金制度そのものを「社会主義的である」と批判し「年金制度を廃止し『頼るのは子供しかない』状況を作り出せば少子化問題は解決する」と主張する者もいるがどうだろうか? たしかに社会保障が完備していない途上国では、少子化どころか人口爆発が起こっている。 しかしこれにも落とし穴がある事は指摘しておこう。 「頼るのは子供しかない」状況になってもそれが子供の「数を増やす」方向に向かうとは限らない。 ますます教育に熱が入り「教育貧乏」になって行くだけである。

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