「親のすねをかじって大学に行かせてもらう」それしか実質的に道のないガクレキ封建体制は、子供にとって抑圧的で、管理教育や体罰、虐待など様々な人権問題を引き起こしてきた。 しかし問題はそれだけではない。 ガクレキ封建体制はオヤジにとっても決して楽ではない。 「封建体制」というと、オヤジは髭を生やし威張っていれば済むような気もするが、それは昔の話。 同じ封建体制でも「ガクレキ封建体制」はそうはいかない。 子供の人数に比例した教育費負担がオヤジに集中し、オヤジはそれを稼ぐため死に物狂いで働かねばならない。 子供が3人いて3人とも大学へ行かせるともなれば、それこそ家族と顔を合わせる暇もなく、朝から晩まで働かねばならない。 それが結果として少子化の原因となるのはこれまで述べた通りだが、それだけでは済まない。 過労死寸前まで働く事が普通になってしまった社会では、女性の進出は難しい。 結果としてますますオヤジは忙しくなるのである。 もしあなたが経営者の立場だったらどうだろう。 意図的に女性を差別するつもりはなくても、結婚までの腰掛け程度のアルバイトと、過労死寸前まで働いているオヤジを対等に扱えと言われても、無理ではないか? 口先だけで「男女平等」などと言っても無意味なのだ。 本気で女性の社会進出を進めたいなら、まずは「男性が過労死寸前まで働かなくてすむ社会」にすることである。 それはつまり「オヤジに負担をかけない社会」で、それを実現するためには、
それが一番、すべてはそこに帰着するのである。 日本社会の歪みは、すべて「ガクレキ封建体制」に帰着するのである。 「窓際族」なんていうイヤな言葉がある。 窓際族になるぐらいなら転職した方が良いと思うのだが、なかなかそうはいかない。 多くの「オヤジ」が窓際族になっても会社にしがみつこうとするのはなぜなのか? それは息子を大学に行かせなければならないから、金がかかるからである。 大学ぐらい行かせておかないと、息子は差別され、定職に就けなくなるのではないか。 その不安と恐怖が、窓際族を多量発生させているのである。 ここにも「オヤジに負担をかける」ガクレキ封建体制が影を落としている。 「ガクレキ封建体制」のおかげで、日本の労働市場は流動性を損なっているのである。 「生涯学習社会」に移行したら、オヤジも子供もお互いどれほど楽になるだろうか、身軽になるだろうか? 身軽になれば日本社会は柔軟性を取り戻す。 さらにムスコを大学に行かせる経済的負担から解放され身軽になれば、財布の紐は緩み、景気も良くなる(もちろん景気はその後も変動するだろうが、仮に悪くなってオヤジが失業したとしても、身軽である限り一家心中する必要はない) 結局、オヤジのためにも、子供のためにも、そして女性の社会進出のためにも、さらには労働市場の流動性を高め日本経済を活性化させるためにも、真っ先に「親子の結びつき=ガクレキ封建体制を破壊する」ことだ。 | |||||||
前へ | 次へ |