前項でも触れたが「格差社会」を脅しにやたら高学歴化を煽るのが、サムライ商法の常套手段である。 高卒と大卒とでは生涯収入に1億円の差がある、しかしだからと言ってみんなが大学に行くようになり「大卒が当たり前」の社会になれば、大学を出ても「別にエリートでも何でもない」必ずしも高収入は保証されなくなる。 それで儲けたのは学歴ビジネス=サムライ商法だけ、いやサムライ商法が金儲けするだけならまだ良い、教育コストの増大は少子化の原因となり日本は大変な事になる。
サムライ商法に惑わされないために、私は次のような考え方を提案する。 コレステロールに善玉と悪玉が、腫瘍に良性と悪性があるように、格差にも良性と悪性がある、格差のすべてが悪いわけではない。 では良性と悪性の違いは何か? そこでまず良性格差とはどういうものかについて説明しよう。 良性格差には次の2つがある。 良性格差(その1) 貧乏人も豊かになっているが、金持ちはもっと豊かになるので、数値の上で格差が拡大した。 → 社会全体が発展して行き、豊かになって行くならば、格差があったとしても、基本的にそれは「良性格差」である(ビルゲイツやイチローと自分の収入を比較しても仕方ない)。 良性格差(その2) 中流層が引きずり下ろされる事により、数値の上で格差が拡大した。 → アメリカにおける中流層の凋落、日本における年功序列の崩壊。 だが冷静に考えて、これらは、年齢や資格、学歴、大企業社員というだけでこれまで「無条件に高い給料をもらっていた」連中が、引きずり下ろされたわけだから、むしろ喜ばしい事ではないか? (格差が拡大したのではなく、むしろ是正されたと解釈すべきである) 基本的に、ビルゲイツやイチローなどどうでも良い、そんなものに私は興味ない、私にとっては、格差があろうがなかろうが、自分の生活が「以前に比べて豊かになれば」つまり社会が発展していれば、オッケーである。 では何をもって「豊かになった」と判断するのか、それについてもお教えしよう。 様々な指標はあるだろうが、私が判断基準としてお勧めするのは、 「これまで治せなかった病気が治せるようになった」 という事である。 この判断基準からすれば、医学が進歩し、なおかつ年金・医療制度が健在である限り、日本社会の格差は「常に良性」である。 では最後に注意しなければならない(これから増えて来るかもしれない)「悪性格差」とはどのようなものかについて説明しよう。 悪性格差とは、 簡単に言うと「社会の発展を阻害し」「貧乏人をさらに貧乏に」「治る病気も治らなくして」「不幸のどん底に突き落とす」という格差で、これはまさしく「教育ビンボー」の事である。 子供の教育にやたら金をつぎ込む「教育ビンボー」それが教育コストを増大させ、少子化を引き起こし、年金・医療制度を崩壊させる。 「国家そのものがサムライ商法に乗っ取られ食い潰されて行く」「韓国のようになって行く」それが「悪性格差」である。
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